「ロブロックスの『99日間生き残る』って、本当にあった話らしいよ」——学校でそんな噂を聞いた子も多いはずです。夜になると現れる鹿の怪物、まれに出るエイリアン、雪原のフクロウ。どれも不気味で、「実話」と結びつくとますます怖く感じます。『99日間生き残る(99 Nights in the Forest)』の“実話”とは、2023年に実際に起きた子どもたちの遭難・生還事故がモデルとされる部分を指します。鹿やエイリアンなどの怪物は、ゲームオリジナルの演出です。都市伝説ラボでは、公式ゲームページと英語圏の資料を照らし合わせ、どこまでが本当なのかを落ち着いて整理しました。
この記事でわかること
- 『99日間生き残る』がどんなゲームで、どれだけ遊ばれているか
- 「実話」の噂の正体(2023年の実在の出来事がモデル)
- 鹿(シカ男)・フクロウ・エイリアンの設定と、怖い噂が生まれる理由
このゲームは、2025年3月4日の公開以降、累計で270億回以上遊ばれ、同時接続は最大約1,400万人を記録した大ヒット作です(Roblox社の公式ゲームページによると)。こども家庭庁(旧内閣府)の調査によると、小学生(10歳以上)でゲームをする割合は86.6%。これだけ多くの子どもが遊ぶからこそ、「実話」という噂も広がりやすいのです。2026年7月時点の情報で見ていきます。
『99日間生き残る』とは?270億回遊ばれた話題のサバイバル
『99日間生き残る』は、開発チーム「Grandma’s Favourite Games」が手がけるサバイバル系のロブロックス作品です。森の中でキャンプを作り、資源を集めながら、行方不明になった4人の子どもを救出しつつ99日間を生き延びることが目標です。
夜になると、鹿の姿をした敵やその信者(カルティスト)、その他の獣が襲ってきます。昼のうちに食料や道具をそろえ、夜をどう乗り切るか——この緊張感が人気の理由です。最初にこのゲームを遊ぶ人は、まず「昼は準備、夜は防御」という基本のリズムをつかむとよいでしょう。都市伝説ラボがこの記事で扱うのは、攻略ではなく“怖い噂のほう”です。
「実話」の噂を検証|モデルは2023年の遭難事故
「実話」という噂には根拠があります。ただし、実在するのは怪物ではなく、子どもたちの生還という出来事のほうです。公式や英語圏の資料を読み比べると、このゲームは2023年にコロンビアで起きた実際の出来事に一部着想を得ているとされます。
2023年、コロンビアのアマゾン地域(カケタ州)で小型機が墜落し、乗っていた4人の子どもが約40日間ジャングルの中で生き延び、無事に救助されました。世界中で報じられたこの出来事が、「森で行方不明の子どもを救出する」というゲームの骨組みのモデルになったとされます。
一方で、鹿の怪物やエイリアンといった超自然的な要素は、スリルを高めるためにゲーム側が加えた演出です。つまり「実話」の部分は現実の生還劇であって、怪物が実在するわけではありません。ここを混同すると、噂だけが独り歩きしてしまいます。

鹿(シカ男)の正体|ウェンディゴ伝承との関係
このゲームで最も恐れられているのが、通称「シカ男」こと鹿の怪物(The Deer)です。鹿は夜にプレイヤーを追いかける“倒せない”敵として設定された、ゲームオリジナルの怪物で、実在の生き物ではありません。
興味深いのは、そのデザインが北米先住民の伝承に登場する「ウェンディゴ」を思わせる点です。ウェンディゴは、孤立・飢え・狂気を象徴する怪物として語り継がれてきた存在で、二足歩行の細長い体が特徴とされます。ゲームの鹿がこの伝承の“怖さの型”を借りているからこそ、多くのプレイヤーが本能的に恐怖を感じるのだと筆者は考えています。
ゲームの怖い怪物が、実在の民間伝承をベースに作られるのはよくあることです。Crawford (2018) の研究によると、ゲームを題材にした怖い創作(クリーピーパスタ)は、「技術やデータが壊れることへの不安」から生まれるとされます。そして、プレイヤーが物語に参加して広げていく「参加型文化」の中で育つといいます(Crawford, 2018)。鹿への恐怖もまた、みんなで語り合ううちに大きくなっていったものと言えます。
フクロウ・エイリアンの噂と、子どもが怖がる理由(注意点)
鹿以外にも、怖い存在として語られるのがフクロウとエイリアンです。まず設定を整理します。
| 怪物 | 出現するタイミング | 正体・モデル | 実在するか |
|---|---|---|---|
| 鹿(シカ男) | 夜(メインの敵) | ウェンディゴ伝承を思わせるゲームオリジナルの怪物 | 実在しない |
| フクロウ | 雪原の夜 | 人型のフクロウ姿のゲームオリジナルの怪物 | 実在しない |
| エイリアン | まれなランダムイベント | UFO墜落現場や母船に出るゲーム演出 | 実在しない |
- ※フクロウ(The Owl)…雪原の夜に現れる、人型のフクロウのような怪物。細長い脚と光る目が特徴とされる。
- エイリアン…UFOの墜落現場や母船に出現する、まれなランダムイベント。毎回出るわけではない。
どちらも「必ず出る」ものではなく、特定の状況やまれな確率で登場するゲームの演出です。実際にこのゲームを遊ぶ人の多くは、レアな出会いだからこそ「見た!」と盛り上がり、その体験談がSNSで“怖い噂”として広がっていきます。
なぜ子どもの間で「実話」「本当にいる」という噂が広がるのか。現代の民俗学では、こうした物語を「デジタル・レジェンド(ネット時代の伝説)」として研究しています。Blank と McNeill (2018) によると、ネット上の怖い話は、口伝えの都市伝説とよく似た性質を持つとされます。「本当かもしれない」という余白を残しながら広まっていくのです(Blank & McNeill, 2018)。実在の遭難事故という“本当の話”が土台にあると、その余白はいっそう大きくなります。
だからこそ、噂と現実の切り分けが大切です。総務省によると、ウワサやデマは「良かれと思って」広めた結果、事実とずれて伝わることがあり、拡散の前に一度立ち止まる姿勢が呼びかけられています。
知らせる前・広める前に、まず一度落ち着く。ウワサやデマなど偽・誤情報に振り回されないようにする——『99日間生き残る』の怖い噂にも、この姿勢がそのまま役立ちます。
出典:総務省「インターネットトラブル事例集」良かれと思って拡散した情報がデマだった?!
怖いゲームを楽しむのは、遊園地のお化け屋敷を楽しむのと同じです。正直なところ、こわいからこそ面白い。ただ、「実話だから本当に呪われる」といった形で不安をあおったり、友達を怖がらせたりしないこと。ここが、噂と上手に付き合う一線です。
よくある質問(FAQ)
『99日間生き残る』は本当に実話ですか?
一部は実在の出来事がモデルとされます。2023年にコロンビアで小型機が墜落し、4人の子どもが約40日間ジャングルで生き延びて救助された出来事が下敷きとされます。ただし鹿やエイリアンなどの怪物はゲームオリジナルの演出で、実在の怪異ではありません。
鹿(シカ男)の正体は何ですか?
ゲームの主な敵で、夜にプレイヤーを追いかける倒せない怪物として設定されています。北米先住民の伝承に登場する「ウェンディゴ」を思わせるデザインですが、実在の生き物ではありません。
エイリアンやフクロウは必ず登場しますか?
いいえ。フクロウは雪原の夜に、エイリアンはまれに起きるランダムイベントとして現れます。どちらも毎回出るわけではなく、ゲームの演出です。
まとめ
『99日間生き残る』の怖い噂を落ち着いて整理すると、ポイントは次の3つです。
- 「実話」の正体は、2023年にコロンビアで4人の子どもが約40日間生き延びた実在の出来事がモデルとされる部分
- 鹿(シカ男)はウェンディゴ伝承を思わせるゲームオリジナルの怪物で、実在しない
- フクロウ・エイリアンはまれに登場する演出で、「必ず出る」ものではない
本当の話とつくり話が混ざると、噂はいっそう怖く感じます。ロブロックスの噂全体を整理したロブロックスの都市伝説一覧(ジョン・ドウ・1x1x1x1ほか)や、任天堂作品を扱ったゲームの都市伝説まとめ、スーパーマリオの都市伝説検証もあわせてどうぞ。都市伝説ラボでは今後も、噂の出どころを一次資料からたどる記事を発信していきます。
最終更新:2026-07-03
※本記事は一般的な情報提供を目的とし、公開情報の整理と筆者の感想を含みます。ゲームの仕様やイベントは更新される場合があるため、最新情報は公式ゲームページをご確認ください。
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主な参考文献:Crawford, E. (2018) Glitch Horror: BEN Drowned and the Fallibility of Technology in Game Fan Fiction/Blank, T. J. & McNeill, L. S. (2018) Fear Has No Face: Creepypasta as Digital Legendry/Roblox社 公式ゲームページ 99 Nights in the Forest/こども家庭庁「令和6年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」調査結果