世界七大禁足地はCNNの発表ではない?出どころをたどると「行ける観光地」だった

古い世界地図と方位磁針、ろうそくの灯る机
目次(16項目)

世界七大禁足地とは|「CNNが発表した一覧」は確かめられるか

「世界七大禁足地」という公式の一覧は、確認できませんでした。元をたどると行き着くのは、CNN Travel が最も奇妙な場所(freakiest places)として紹介した記事です。禁足地として選んだ記事ではなく、中身は観光で訪ねる場所の紹介でした。

ネットのまとめでは、CNN が発表した7か所として紹介されることがあります。この記事では、その言い方がどこまで確かめられるかを整理します。後半で取り上げるのは、本当に入れない世界の場所と、入れない理由です。

なお、ここでいう禁足地とは、立ち入りを禁じられた場所や、古くから入ってはいけないとされてきた場所のことです。この記事は、立ち入りを勧めるものではありません。

出どころをたどる|CNN Travel の最も奇妙な場所と、2012年11月の掲示板

CNN Travel の記事は「行ける場所」の話から始まる

確認できたのは、CNN Travel の記事10 of the freakiest places around the worldの2019年5月8日更新版です。Web アーカイブに残る同記事の冒頭は、怖さは売れるという観光の話です。亡くなった人の霊が、観光では実際の利益を生んでいると書かれています。

同じ記事は、お金を払う観光客が得るのは、わくわくするけれど最終的には安全な体験だとも述べています。禁止された場所へ誘う文章ではありません。

2012年の元記事そのものは確かめられていない

韓国の英字紙 Korea JoongAng Daily(2018年3月22日)は、2012年に CNN Travel が地球上で最も奇妙な7か所の1つに選んだと報じています。対象は京畿道広州市の廃病院、コンジアム精神病院です。

ただし、2012年当時の CNN の記事本文は、今回は確認できていません。確かめられたのは、この韓国紙の報道と、2019年更新版の本文までです。

日本語の「禁断の地」は2012年11月の掲示板から

日本語で「CNNが世界七大禁断の地を発表」という見出しが確認できた最も古いものは、2012年11月1日の掲示板投稿です。ブログ「王立 シュレヒト総合研究所」に転載されており、見出しは「【閲覧注意】CNNが世界七大禁断の地を発表 日本は2つもランクイン!」、投稿日は「2012/11/01(木) 11:42:26.67」と記されています。

この転載は、噂が広まった様子を示す資料として見るにとどめます。内容の裏付けにはなりません。

整理すると、CNN の原題は最も奇妙な場所です。それが日本語に移る過程で「禁断の地」「禁足地」という言葉に置き換わったとみられます。

七大禁足地7か所の実際|多くは観光で行ける場所

日本のネットで広まった7か所を、確認できた範囲で表にしました。CNN 2019年更新版で紹介が確かめられたのは6か所です。青木ヶ原は、CNN の記事に入っていたかを確かめられていません。

場所 CNN の記事での紹介 実際:行けるか
軍艦島(端島) 2019年更新版で紹介 2009年まで完全に閉鎖されていましたが、現在は訪問できます。2015年にユネスコに認定されました。
チェルノブイリ 2019年更新版で、ツアーを実施する会社が紹介されている ツアーが紹介されていた場所です。現地の最新の状況は、ここでは扱いません。
アコデセワ(トーゴ・ロメ) 2019年更新版で紹介 世界最大のフェティッシュ市場とされ、ブードゥーの信仰に関わる人々が集まる市場です。
人形島 2019年更新版で紹介 由来の伝説について、霊と交信したのか、溺れた少女が実在したのかは議論が続いている、と書かれています。
セドレツ納骨堂(チェコ) 2019年更新版で紹介 セドレツにある小さなカトリックの礼拝堂です。
青木ヶ原樹海 確認できていない 世界文化遺産の構成資産です。東海自然歩道の道標に従って歩くよう、案内されています(山梨県観光推進機構「ぐるり富士山」コースマップ)。
コンジアム精神病院(韓国) 2012年に選ばれたと韓国紙が報道。2019年更新版でも1番目に紹介 私有地です。The Korea Times(2018年4月)によると、所有者は今も遊び半分の立ち入りに強く反対しています。

青木ヶ原については、山梨県観光推進機構のコースマップが「世界文化遺産の1つ」と紹介しています。立入禁止の場所ではありません。

コンジアムは、韓国紙の記事によれば、ホラー映画の舞台にもなった場所です。ただし同じ Korea Times の記事は、映画はそこで撮影されたわけではないと伝えています。

こうして見ると、7か所の多くは入れない場所ではなく、観光や見学の対象です。「禁足地」という呼び名が、実態より強く響いているといえます。

本当に入れない場所はどこにあるか|信仰・自然保護・文化財・国家の4つの理由

では、本当に入れない場所はあるのでしょうか。あります。理由を分けると、信仰、自然保護、文化財や学術、国家の4つに整理できます。以下は、公式の出典で確かめられた例です。

信仰が理由の場所

沖ノ島(福岡県)は、宗像大社の公式サイトによると、住人はなく、神職以外の入島が禁止されています。上陸時の海中での禊や、「一木一草一石たりとも持ち出すことができない掟」などが今も厳重に守られているそうです。

宗像市も、一般の上陸は禁止で、神職が10日交代でたった一人で奉仕していると紹介しています。

アトス山(ギリシャ)は、ユネスコ世界遺産センターの記載で聖なる山とされ、女性と子どもは禁じられています。10世紀以来の正教会の精神的な中心で、ビザンツ時代から自治の地位にあるとのことです。

Smithsonian Magazineは、女性は1,000年以上締め出されてきたと伝えています。英国の支援団体 Friends of Mount Athos は、同時に滞在できる訪問者数は厳しく制限され、訪問者は全員が巡礼者とみなされると説明しています。

ウルル(オーストラリア)では、国立公園を管理する Parks Australiaによると、登山が2019年10月26日から恒久的に閉鎖されました。地元のアナング(先住民)の人々との協議を経た決定だったと、ABC Newsが伝えています。

自然保護が理由の場所

夜明けの暗い海にそびえる、黒い断崖の無人の火山島
人の立ち入りが制限された火山島を描いたイメージ(実在の島の写真ではありません)

スルツェイ島(アイスランド)は、アイスランド環境庁によると、1965年の保護指定以降、観光客の立ち入りが禁じられています。例外は、環境庁の許可を得た場合だけです。

Surtsey Research Societyは、同協会の許可なく島を訪れることは禁止だと述べています。ユネスコ世界遺産センターは、人の手が入らないことで、新しい陸地に動植物が定着する過程の長期的な記録が得られていると評価しています。

ケイマーダ・グランデ島(通称ヘビ島、ブラジル)は、1985年の大統領令(第91.887号)で、隣のケイマーダ・ペケーナ島とともに生態学的に重要な区域に指定されました。ICMBio の保護区ページに記載があります。

ブラジルの報道 NSC Total(2023年10月22日)は、立ち入りが許可を得た研究者、科学者、生物学者に限られていると伝えています。

文化財・学術が理由の場所

ラスコー洞窟(フランス)の原洞窟は、ユネスコ世界遺産センターの記載によると、壁画の保存のため1963年に一般公開が閉ざされ、国が取得しました。ドルドーニュの公式観光サイトも、1963年から非公開と説明しています。

スヴァールバル世界種子貯蔵庫(ノルウェー)は、施設の公式紹介ページによると、2008年2月26日に開所しました。一般向けの案内では、入れるのは許可を受けた関係者だけで、代わりに仮想見学が用意されています。NordGenも、警備強化のため関係者以外は入れないとしています。

軍事・国家が理由の場所

パイン・ギャップ共同防衛施設(オーストラリア)は、連邦政府の法令データベースに掲載された法令で、立入禁止区域とされています。無断で入った場合の最高刑は懲役7年です。

エリア51(グルーム・レイク)は、一般の人が入れない米国の施設です。CNN Newsource 配信の Area 51 Fast Facts(2023年8月1日)は、武装した警備員が周囲を巡回していると伝えています。米ジョージ・ワシントン大学の National Security Archive は、2013年8月に機密解除をうたう資料集を公開しました。

フォートノックス金塊保管所(アメリカ)について、VOA(2025年2月27日)は、造幣局が機密施設と呼び、訪問者は例外なく受け入れない方針だと報じています。

この4つの理由に共通するのは、入れない根拠が公式に説明されている点です。七大禁足地として広まった話とは、ここが違います。

世界の禁足地マップで30か所を見る

出典で入れない理由を確かめた30か所は、地図にまとめています。場所ごとに、理由と出典を見られます。世界の禁足地マップから、気になる場所を探してみてください。

日本国内の禁足地は、日本の禁足地まとめで整理しています。国内の伝説の舞台を地図で探すなら、都市伝説マップが便利です。

世界各地の怖い話の広まり方に関心があれば、世界の怖い都市伝説ランキングもあわせてどうぞ。

よくある質問

世界七大禁足地は誰が決めたのですか?

決めた公的な機関は確認できませんでした。元をたどると、CNN Travel が最も奇妙な場所として紹介した記事に行き着きます。日本語の「世界七大禁断の地」という見出しで確認できた最も古いものは、2012年11月1日の掲示板投稿です。

世界七大禁足地には入れますか?

多くは観光や見学の対象です。軍艦島は2009年まで完全に閉鎖されていましたが、現在は訪問できます。コンジアムは私有地で、所有者が立ち入りに反対しています。立ち入りは勧められません。

本当に入れない場所はどこですか?

沖ノ島は神職以外の入島が禁止されています。スルツェイ島は許可がなければ訪問できません。スヴァールバル世界種子貯蔵庫やパイン・ギャップも、関係者以外は入れません。いずれも公式の出典で確かめられた例です。

📝 免責事項

最終更新: 2026年11月5日。本記事は、CNN Travel の記事(Web アーカイブ)、韓国の新聞報道、各国の政府・管理団体・UNESCO の公開資料をもとにした考察記事であり、個人の見解を含みます。※英語の資料は、都市伝説ラボが日本語に訳して要約しています。噂の真偽を断定するものではありません。ここで紹介した場所への立ち入りを勧めるものではありません。

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