赤い服の少女とは?台湾の都市伝説12話を出典で検証

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赤い服の少女(紅衣小女孩)とは|山のビデオに映ったとされる少女

霧のかかった森の中に続く、濡れた石段とシダの茂み
霧の山道を描いたイメージ(実在の大坑の登山道ではありません)

赤い服の少女(紅衣小女孩)は、台湾の山で家族が撮ったビデオに映っていたとされる少女の話です。nippon.comのコラムは、台湾でささやかれてきた、山に人を誘い込む魔物の都市伝説と説明しています。

三立新聞網(SETN)の2016年の記事は、1998年3月に家族が台中の大坑へ登山に行ったと書いています。帰ってしばらくして、そのうちの一人が亡くなったとのこと。

同じ記事によると、ビデオには一行の後ろをついていく赤い服の少女が映っていたとのこと。目元はずっと影に隠れていたそうです。映像は当時の人気番組《玫瑰之夜》の鬼話連篇というコーナーに投稿され、テレビで紹介されたとされています。

TVBS新聞網の2023年の記事は、登山の映像に赤い子ども服の少女が映り、顔は老婆のようだったと紹介しています。ただし、映像の年は出典によって異なり、後で触れるTaipei Timesでは、1988年にテレビで放送された家庭用ビデオが元です。

この記事は、どれが正しいかを決めず、出典ごとに書き分けます。

TVBSによれば、この少女の正体も見方が分かれるところです。魔神仔や抓交替の厲鬼とみる人がいる一方、科学的に考える人は、はぐれた登山客が光の加減で不気味に見えただけだと推論しています。

nippon.comのコラムによれば、外見は赤い服の子どもなのに、「皮膚は黒く老婦人のような顔をしている」とのことです。

映画『紅い服の少女』と魔神仔|都市伝説が作品になるまで

この話は、台湾ホラー映画の題材になりました。監督は程偉豪(チェン・ウェイハオ)で、原題は紅衣小女孩、英題は The Tag-Along です。

Taipei Timesの2015年11月27日付の映画評は、これを程偉豪の長編デビュー作と紹介しています。台湾の民間伝承になじみがあることが、外国のホラーにはない怖さになっているという評です。映画の幽霊は、1988年にテレビで放送された有名な家庭用ビデオに由来するとも書いています。台湾での公開は同日です。

鏡週刊の2017年の記事によると、2015年末公開の『紅衣小女孩』は台湾全土で8,500萬元の興行成績でした。続編の『紅衣小女孩2』も公開されています。

同じ記事は、第1作の脚本づくりで程偉豪と脚本家が、田野調査(フィールドワーク)と書籍の資料集めを重ねたと伝えています。二人は、魔神仔の抓交替という考え方が、『咒怨』『鬼影』などアジアのホラー映画に見られる、被害が次々に移っていく恐怖をとらえていると気づいたそうです。

日本では、映画.comのニュースによると、2022年9月30日から『紅い服の少女 第一章 神隠し』『紅い服の少女 第二章 真実』として同時に公開されました。同ニュースは、第一章が2015年に台湾製ホラーとして初めて興行的に大成功し、現在の台湾ホラーブームの原点になったと紹介しています。第二章は2017年の台湾映画年間興行成績1位でした。

映画.comの作品ページは、本作を「1990年代の台湾で多くの憶測を呼んだ怪奇事件『紅い服の少女』をベースにしたホラー」と紹介しています。映像の年が出典で異なる点は、前の章で見たとおりです。

nippon.comのコラムによれば、台湾では鬼月(旧暦の7月)に合わせてホラー映画が多く公開されます。これまでは海外作品が中心でした。

学術研究としては、Grace Cheng-Ying Linの2023年の論文があります。掲載誌はEast Asian Journal of Popular Culture 9巻1号です。2作に出てくる嬰靈(流産や中絶した胎児の霊)のイメージを分析しています。要旨によると、この映画シリーズは都市伝説や民間伝承を通じて台湾のアイデンティティを探っているとのことです。映画を扱った研究で、伝説の真偽を確かめた研究ではありません。

90年代に広まった台湾の都市伝説|人面魚・辛亥トンネル

工商時報の2020年の記事は、謝宜安の著書を紹介するものです。しゃべる人面魚や辛亥隧道の女の幽霊などを、台湾で90年代に本当らしく語られた都市伝説として挙げています。今も耳にすることがある一方、深く調べられることは少なかったとも書いています。

人面魚

三立新聞網の2022年の記事によると、90年代に人面魚事件が話題になりました。若者たちが野外で釣りをして、約4キロの呉郭魚を釣り上げます。焼いて食べていると、老いた女の声が台湾語で魚の味を尋ねてきたという話です。

辛亥隧道

辛亥隧道は台北市にあるトンネルです。鏡週刊の2025年の記事は、葬儀場と墓地に近く、長く心霊スポットとされてきたと紹介しています。運転手の中には、トンネルから出られないという不思議な体験を語る人がいるそうです。

同記事は、この話を題材にした映画『辛亥隧道』を、台北の人にとって伝説級の最も不気味な区間を描く作品として伝えています。トンネルの怪談は、トンネルの怪の実話と真相を探る記事でも取り上げた話題です。

日本以外の怪談を広く知りたい人は、世界の怖い都市伝説ランキングの記事も参考になります。

廃墟と山の怪異|民雄の洋館・玉山の黄色い雨具の3人・草嶺古道の碑

曇り空の下、つたに覆われた2階建てのれんが造りの古い洋館
荒れた洋館を描いたイメージ(実在の民雄鬼屋ではありません)

民雄の洋館(民雄鬼屋)

聯合新聞網の2022年の記事によると、この家は劉家古樓とも呼ばれます。嘉義県民雄郷にある、閩洋折衷式(福建と西洋の様式を合わせた)の民家です。日本統治時代に地元の名家の劉家が1929年に建てました。

長く手入れされず草が生い茂り、幽霊の噂が立って、有名な観光地になったと同記事は書いています。記事が引く嘉義県文化観光局の公式サイトの説明では、幽霊の噂にはさまざまな版があるそうです。

持ち主の子孫の話として、辺鄙な場所なので引っ越した、と同記事は紹介しています。手入れする人がいないまま年月がたち、荒れ果てて鬼屋になったということです。建物の成り立ちとは違い、幽霊の話は噂の領域です。

日本の立入禁止の場所や禁足地に興味がある人は、日本の禁足地の記事と読み比べてみてください。

玉山の黄色い雨具の3人

TVBS新聞網の2023年の記事によると、この話は、ある登山者が語ったことが始まりだとされています。玉山の主峰から下りる途中、雨と霧で体が冷え、前後に人影がなく心細くなったそうです。

前方に黄色い雨具を着て笠をかぶった3人が見え、同行者がいると安心して後ろについていきました。ところが石につまずいて顔を上げると、3人はまっすぐ崖へ向かい、空中で消えたといいます。

草嶺古道の碑

この古道には、雄鎮蠻煙と刻まれた碑があります。交通部観光署の東北角及宜蘭海岸国家風景区管理処のページによると、1867年(清の同治6年)に台湾総兵の劉明燈が北を巡回しました。草嶺の山腹で濃い霧に遭い、この四文字を題して瘴気を払おうとしたと伝わっています。

鉅亨網の記事は、この碑について別の見方も伝えています。濃霧を山の魔物のしわざと疑い、その場で碑を刻んで鎮めようとした、というものです。

女の霊と水辺の伝説|林投姐・劍潭の魚の妖怪・龜山島

林投姐

中央社の2018年の記事によると、何敬堯は、台湾らしい鬼として林投姐を挙げています。悲しい女の幽霊の恋愛物語で、かつての女性が置かれた悲しい歴史も表すと語っています。

最も広く流布するのは、台湾四大奇案の版です。清末の台南で、李昭娘の夫が商いの船で遭難して亡くなりました。李昭娘は亡き夫の友人と再婚しましたが、その再婚相手に財産をだまし取られた、という話です。

のちに、林投の木の下でささやきや泣き声が響くと地元で語られるようになりました。人々は地域の安寧のために廟を建て、林投姐と呼んで香火を供えたと、同記事は書いています。

劍潭の魚の妖怪

劍潭は、台北市の中山区と士林区の境にあります。城市學(遠見天下文化)の2024年の記事によると、地名の由来は1717年成立の《諸羅縣志》にまでさかのぼります。

オランダ統治期に、北台湾の大きな池のそばで、オランダ人の軍人が巨木の幹に剣を突き立てたそうです。幹が剣を包み込んで見えなくなったため、劍潭と呼ばれました。

妖怪の要素が入るのは、日本統治時代になってからです。苗栗で剣を投げた鄭成功の伝承が、台北の劍潭の話と混ざり、劇的な形になったと同記事は説明しています。軍を率いて北上した鄭成功が、川で暴れる魚の精に出会います。剣を投げ入れて魚の精を抑え、軍勢が川を渡れたという話です。

世界の湖や海、川に潜む怪物の話は、水の都市伝説10選の記事にまとめています。

龜山島

龜山島は、交通部観光署の東北角及宜蘭海岸国家風景区管理処の2014年の電子報によると、姿が海亀によく似た島です。二つの伝説が紹介されています。

一つは、龍王宮の龜将軍と龍王の公主がひそかに愛し合う話です。怒った龍王が龜将軍を島に変え、公主は蘭陽平原になって、海をへだてて向き合っているといいます。もう一つは、台湾に来た鄭成功が大きな母亀を射て傷を負わせたという説です。母亀は卵を産んだあと島になり、硫気孔はそのときの傷だとされています。

先住民と鄭成功の伝承|日月潭の白鹿・美崙山の巨人・鐵砧山の劍井

日月潭の白鹿

國立臺灣史前文化博物館が2007年に載せた邵族の白鹿伝説では、祖霊祭を迎える準備に狩りへ出た邵族の猟師たちが主人公です。獲物が豊富で山を下りようとしたとき、伝説の白鹿を見つけました。

白鹿の行方がわからなくなったと思った矢先に、美しい大きな湖と豊かな土地を見つけます。白鹿が導いたのか、祖霊の加護なのか、と同ページは問いかけています。

鹿を追い続けて豊かな日月潭にたどり着いた邵族の人々は、ここに定住することにしました。最初に着いた場所を、白の意味の普吉と呼び、白鹿に感謝したと書かれています。

美崙山の巨人

李宜靜の論文『阿美族海祭神話與祭儀之流變』(康寧學報第10期、2008年)に、阿美族の巨人の話があります。巴力克(今の花蓮市街にある美崙山)に巨人が住み、魔法で阿美族を悩ませ、ときに危害を加えたといいます。

巨人を倒すため、部落の青年が年齢で階級に分かれ、長距離走や弓の訓練を受けて出発しました。しかし攻撃はうまくいきません。ある日、勇士隊の指導者の卡浪が疲れて石の上で眠りました。夢に海神が現れて祭祀用の布隆を使うよう教え、そのとおりにして巨人を破ったそうです。

鐵砧山の劍井

臺中市政府観光旅遊局の2019年のページには、劍井の由来が載っています。民間では、鄭成功が部隊を率いて大甲の鐵砧山を通ったと伝わっています。暑い日で、兵士たちはのどが渇いても水源が見つかりませんでした。

そこで鄭成功が正午に剣を地面に刺して天に水を祈ると、剣を抜いたとたんに泉がわき出ました。この場所が劍井と呼ばれるようになったと、同ページは書いています。

12の話の一覧|伝承か記録か

ここまでの12話を、場所・内容・区分・出典で整理します。区分の伝承は昔から語り継がれる話、噂は体験談や報道で広まった話、記録+伝承は由来や地名に記録があり、そこに伝承が重なる話です。

台湾の伝承は、都市伝説ラボの地図ページにも載っています。

話 場所 語られている内容 区分 出典
赤い服の少女 台中の大坑ほか 登山のビデオの一行の後ろに少女が映っていたとされる 噂 三立新聞網、TVBS新聞網
人面魚 台湾の野外 釣った魚から老いた女の声がしたとされる 噂 三立新聞網
辛亥隧道 台北市 トンネルから出られないという体験談がある 噂 鏡週刊
民雄鬼屋 嘉義県民雄郷 1929年築の洋館。幽霊の噂には各種の版がある 記録+伝承 聯合新聞網
玉山の黄色い雨具の3人 玉山 前を歩く3人が崖の先で消えたとされる 噂 TVBS新聞網
草嶺古道の碑 草嶺古道 濃霧の中で碑を刻んだ話が伝わる 記録+伝承 交通部観光署、鉅亨網
林投姐 台南ほか 夫を海難で亡くし財産をだまし取られた女性の霊の話 伝承 中央社
劍潭の魚の妖怪 台北市 鄭成功が剣を投げて魚の精を抑えた話 記録+伝承 城市學
龜山島 宜蘭沖 龜将軍と公主、または母亀が島になった話 伝承 交通部観光署
日月潭の白鹿 日月潭 白鹿を追って邵族が湖にたどり着いた話 伝承 國立臺灣史前文化博物館
美崙山の巨人 花蓮市の美崙山 阿美族が夢のお告げで巨人を倒した話 伝承 康寧學報
鐵砧山の劍井 台中の大甲 鄭成功が剣を刺すと泉がわいた話 伝承 臺中市政府観光旅遊局

赤い服の少女・人面魚・辛亥隧道・玉山の黄色い雨具の3人は、テレビや報道で語られてきた噂です。龜山島や日月潭などは、土地の成り立ちを語る伝承として、観光署や市政府、博物館のページに載っています。

よくある質問

赤い服の少女とはどんな話ですか?

台湾の山で家族が撮ったビデオに、一行の後ろをついていく赤い服の少女が映っていたとされる話です。nippon.comは、山に人を誘い込む魔物の都市伝説と説明しています。

映像は何年に放送されたのですか?

出典によって違います。三立新聞網では1998年3月の登山の映像が《玫瑰之夜》の鬼話連篇で紹介されたとされ、Taipei Timesでは1988年にテレビで放送されたとされています。

少女の正体は霊なのですか?

わかっていません。TVBS新聞網は、魔神仔や抓交替の厲鬼とみる人と、はぐれた登山客が光の加減で不気味に見えただけだとする説の両方を書いています。

📝 免責事項

最終更新: 2026年10月27日。本記事は台湾の報道・公的機関・博物館・研究論文などの公開資料をもとにした考察記事であり、個人の見解を含みます。※中国語・英語の資料は、都市伝説ラボが日本語に訳して要約しています。伝承の真偽を断定するものではありません。

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